授業の主旨(概要) †
人工知能 (AI) 分野の中心的な課題の一つに、問題解決がある。 機械(コンピューター)によって問題を解決するためには、知識(知識の表現、利用、獲得)、探索、論理(論理表現と推論)、記号処理(論理プログラミングとリスト処理)などが必要となる。
本授業では、これらのうち、問題の表現、探索、論理、学習(知識の獲得)に焦点を絞り、人工知能についての基礎知識を理解することを目的とする。
具体的達成目標 †
- 状態空間の完全な探索木を作成できるようになる。
- 状態空間を表す木に対して横型探索、縦型探索、分岐限定法、山登り法、最良優先探索、A*アルゴリズムによる探索ができるようになる。
- 命題論理式に対して真理値表を作成し、節形式に変形できるようになる。
- 述語論理式を節形式に変形できるようになる。
- 原子式の集合に対して、最汎単一化置換を求めることができるようになる。
- 深層学習における活性化関数の出力値を計算できるようになる。
- 強化学習における最適行動価値を計算できるようになる。
授業計画 †
- 人工知能概説
- 問題解決
- 探索1 横型探索と縦型探索
- 探索2 分岐限定法と山登り法
- 探索3 最良優先探索とA*アルゴリズム
- 演習1(問題解決、探索)と解説
- 論理と推論1 命題論理
- 論理と推論2 推論
- 演習2(命題論理と推論)と解説
- 述語論理1 述語論理
- 述語論理2 スコーレム標準形
- 導出原理
- 演習3(述語論理、導出原理)と解説
- 深層学習
- 強化学習
- 期末試験
ルーブリック †
項目 | 10点 | 5点 | 0点 |
問題の表現 | 状態空間の完全な探索木を作成できる | 簡単な状態空間の完全な探索木を作成できる | 状態空間の完全な探索木を作成できない |
探索1 | 横型探索と縦型探索ができる | 横型探索か縦型探索ができる | 横型探索と縦型探索ができない |
探索2 | 分岐限定法と山登り法による探索ができる | 分岐限定法か山登り法による探索ができる | 分岐限定法と山登り法による探索ができない |
探索3 | 最良優先探索とA*アルゴリズムによる探索ができる | 最良優先探索かA*アルゴリズムによる探索ができる | 最良優先探索とA*アルゴリズムによる探索ができない |
論理1 | 命題論理式に対して真理値表を作成できる | 簡単な命題論理式に対して真理値表を作成できる | 命題論理式に対して真理値表を作成できない |
論理2 | 命題論理式を節形式に変形できる | 簡単な命題論理式を節形式に変形できる | 命題論理式を節形式に変形できない |
論理3 | 述語論理式を節形式に変形できる | 簡単な述語論理式を節形式に変形できる | 述語論理式を節形式に変形できない |
論理4 | 原子式の集合に対して最汎単一化置換を求めることができる | 簡単な原子式の集合に対して最汎単一化置換を求めることができる | 原子式の集合に対して最汎単一化置換を求めることができない |
学習1 | 深層学習における計算ができる | 深層学習における簡単な計算ができる | 深層学習における計算ができない |
学習2 | 強化学習における計算ができる | 強化学習における簡単な計算ができる | 強化学習における計算ができない |
授業方法 †
講義、演習、期末試験
成績の評価方法 †
演習と期末試験により総合的に評価する。
成績の評価基準 †
期末試験で100点満点中60点以上を合格とする。 期末試験で60点以上の場合、各演習を5点満点として加える(ただし、最高100点)。 期末試験で60点未満の場合、再試験を実施し、再試験で100点満点中60点以上を合格とする(ただし、最高69点)。
教科書 †
- 太原育夫: 新人工知能の基礎知識, 近代科学者 (2008)
参考書 †
- 山下隆義: イラストで学ぶディープラーニング, 改定第2版, 講談社 (2018)
- 牧野, 澁谷, 白川 (編著), 松井藤五郎 他 (著): これからの強化学習, 森北出版 (2016)
単位数 †
2(選択)
開講期 †
3年春学期