授業/C言語基礎/for文 のバックアップ差分(No.6)


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*同じ処理を繰り返し行う [#p95b0769]

コンピューターは、同じ処理を繰り返し行うことが得意です。

次のようなプログラムを考えてみましょう。
  Hello World!と10回画面に表示する

これをそのままプログラムにすると、次のようになります。
#geshi(c){{
  printf("Hello World!\n");    // 1
  printf("Hello World!\n");    // 2
  printf("Hello World!\n");    // 3
  printf("Hello World!\n");    // 4
  printf("Hello World!\n");    // 5
  printf("Hello World!\n");    // 6
  printf("Hello World!\n");    // 7
  printf("Hello World!\n");    // 8
  printf("Hello World!\n");    // 9
  printf("Hello World!\n");    // 10
}}
全く同じ命令が10回繰り返されています。
(コメント部分はコンパイル時に無視されます。)

''for文''は、このような同じ処理を繰り返し行うことができます。

for文は、次の形をしています。
#geshi(c){{
  int i;
  for(i = 1; i <= 繰り返し回数; i++) {
    処理
  }
}}
ここで、''++'' は''インクリメント演算子''です。
後で詳しく説明します。

for文を使って上のプログラムを書くと、次のようになります(プログラム1)。
#geshi(c){{
  int i
  for (i = 1; i <= 10; i++) {
    printf("Hello World!\n");
  }
}}

これを実行すると、次のようになります。
#geshi(sh){{
luna% a.out
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
}}

**演習1 [#rce0b366]
プログラム1を作成し、実行結果を確認せよ。


*カウント変数 [#ke44bbbd]

for文で使われている変数 i は、繰り返し回数をカウントするのに使われています。
繰り返し回数をカウントしているので、''カウント変数''と呼ばれます。
カウント変数の名前は、i でなくても構いません。

上のプログラムに、変数 i の値を出力する命令を追加します(プログラム2)。
#geshi(c){{
  int i;
  for (i = 1; i <= 10; i++) {
    printf("%d\n", i);
    printf("Hello World!\n");
  }
}}

これを実行すると、次のようになります。
#geshi(sh){{
luna% a.out
1
Hello World!
2
Hello World!
3
Hello World!
4
Hello World!
5
Hello World!
6
Hello World!
7
Hello World!
8
Hello World!
9
Hello World!
10
Hello World!
}}




**演習2 [#tddc3255]
プログラム1をプログラム2に変更し、実行結果を確認せよ。





*増分・減分演算子 [#b42c48af]

for文の中で使われている ''++'' という演算子は、''増分演算子''(インクリメント演算子)といい、カウント変数 i の値を1増やす演算子です。

増分演算子と同じ仲間に、変数の値を1減らす''減分演算子''(デクリメント演算子)があります。
|優先順位|演算子|使用例|意味|h
|2|++|i++|iの値を1増やす|
|~|~|++i|~|
|~|&minus;&minus;|i&minus;&minus;|iの値を1減らす|
|~|~|&minus;&minus;i|~|
演算子が変数の前についている場合(前置)と変数の後についている場合(後置)では意味が違いますが、後日詳しく勉強します。



*for文 [#m3ff44a2]

上では、for文の形を次のように説明しました。
#geshi(c){{
  int i;
  for(i = 1; i <= 繰り返し回数; i++) {
    処理
  }
}}

正確に説明すると、for文は次の形をしています。
#geshi(c){{
  for (初期化; 繰り返し条件; 更新処理) {
    処理
  }
}}
if文と同じように、for文の波括弧 { } に含まれる命令文が0または1個のとき、この波括弧を省略することができます。

for文は、次のように実行されます。
+「初期化」を行う
+「繰り返し条件」を評価する
--条件を満たしていれば、波括弧 { } の中の「処理」を行い、最後に「更新処理」を行う
--そうでなければ、for文の次の処理に移る
+2へ戻る

したがって、カウント関数は1からでなく、0から始めることもできます。
また、カウント関数を1ずつ増やすのではなく、2ずつ増やしたり、1ずつ減らすこともできます。

たとえば、10から0までカウントダウンするプログラムは、次のようになります(プログラム3)。
#geshi(c){{
  int i;
  for (i = 10; i >= 0; i--) {
    printf("%d\n", i);
    sleep(1);
  }
}}

**演習3 [#me0ecdb9]
プログラム3を作成し、実行結果を確認せよ。


**無限ループと強制停止 [#afb3951c]

for文は、条件を満たしている間繰り返し続けますので、条件を満たさないことがないと無限に繰り返しを続けます。
これを''無限ループ''といいます。

たとえば、次のプログラムについて考えてみます(プログラム4)。
#geshi(c){{
  int i;
  for (i = 1; i = 10; i++) {
    printf("%d\n", i);
    printf("Hallo World!\n");
  }
}}
繰り返し条件の演算子を間違えて、代入演算子にしてしまっています。

繰り返し条件を評価すると、カウント変数に10が代入されます。
このとき、結果が0でないので、条件を満たしていると判断され、波括弧の中の処理と更新処理がおこなわれます。
更新処理によってカウント変数は11になりますが、繰り返し条件を評価すると、カウント変数に10が代入されるため、このfor文が停止することはありません。

このようなとき、''コントロール・キー''を押しながら''C''キーを押し、プログラムの実行を強制的に停止させます。
コントロール・キーを押しながらCキーを押す操作を、''Ctrl+C''と書くことがあります。


**演習4 [#ha668b44]
プログラム2をプログラム4に変更し、実行して強制停止せよ。


*合計を求める [#c9a294dc]

繰り返し処理を用いてよく行われることの一つが、合計を求めることです。

1から100までの整数の和を求めることを考えてみます。

そのままプログラムにすると次のようになります。
#geshi(c){{
  int sum = 1 + 2 + 3 + 4 + 5 + ... + 99 + 100;
}}
もちろん、...の部分も省略せずに書かなければなりませんが、ここでは省略してあります。

この処理は、2を足す、3を足す、4を足す ... という足し算の繰り返しだと考えることができます。

したがって、加える数をカウント変数とすると、次のようなプログラムにできます。
#geshi(c){{
  int i, sum = 1;
  for (i = 2; i <= 100; i++) {
    sum = sum + i;
  }
}}
変数sumが合計を表していて、今までの合計に2を加えて新しい合計とする、今までの合計に3を加えて新しい合計とする、...と繰り返しています。

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