この授業では、Cプログラムのコンパイルと実行はLinuxで行います。
Cプログラムを書くのはLinuxでもWindowsでも構いませんが、家でも勉強できるように、自分のパソコンのWindowsでもプログラムを作成できるようにしておきましょう。
*Windowsをプログラム開発用に設定する [#y3836dfa]
プログラミングするときは、ファイル名の拡張子が大切です。
ところが、Windowsの初期設定では、ファイル名の拡張子は表示されないようになっています。
そこで、Windowsでファイル名の拡張子が表示されるように設定します。
まず、Windowsのデスクトップ画面で適当なフォルダーを開きます。
次に、「表示」メニューの「オプション」を選択します。
#ref(./Windows1.png,75%)
フォルダーオプションの画面が表示されたら、「表示」タブを選択し、下から3番目にある「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。
#ref(./Windows2.png,75%)
これで、ファイル名の拡張子が表示されるようになりました。
**開発用ソフトウェアのダウンロードとインストール [#y186713e]
総合情報センターのWindowsにはCプログラムの作成と実行に必要なソフトウェアがインストールされています。
そこで、同じソフトを自分のパソコンのWindowsにもインストールします。
***TeraPad [#j950bd3c]
TeraPadは、エディターという種類のアプリケーションで、プログラムを作成するために使います。
TeraPadは以下のページからダウンロードできます。
-[[TeraPad:http://www5f.biglobe.ne.jp/~t-susumu/library/tpad.html]]
インストーラー付きのものをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをダブル・クリックしてインストールします。
***WinSCP [#y4e9f9ce]
WinSCPは、FTPクライアントという種類のアプリケーションで、Windows PCからLinuxサーバーへ(またはLinuxサーバーからWindows PCへ)ファイルを転送するために使います。
WinSCPは以下のページからダウンロードできます。
-[[WinSCP Downloads:https://winscp.net/eng/download.php]]
''Installation package''をダウンロードし、ダウンロードしたファイルをダブル・クリックしてインストールします。
言語は「日本語」を選択します。
***PuTTY [#mf47f659]
PuTTYは、SSHクライアントという種類のアプリケーションで、WindowsからLinuxサーバーにログインするために使います。
PuTTYを日本語化したICE IV版のPuTTY PRIVATE PATCHESが以下のページからダウンロードできます。
-[[ICE IV + PuTTY:http://ice.hotmint.com/putty/]]
一番新しい日付のものをダウンロードし、ダウンロードしたファイルを右クリックして「全て展開...」を選択し、圧縮されているファイルを展開します。
C:¥Program Filesフォルダーの中に、''PuTTY''という名前のフォルダーを新規に作成します。
64ビット版Windows(C:¥Program Files(x86)というフォルダーが存在するWindows)の場合、展開したフォルダーの中にある''x64''フォルダーの中にある''putty.exe''を作成したPuTTYフォルダーの中にコピーします。
32ビット版Windows(C:¥Program Files(x86)というフォルダーが存在しないWindows) の場合、展開したフォルダーの中にある''putty.exe''を作成したPuTTYフォルダーの中にコピーします。
次に、展開したフォルダーの中にある''ini''フォルダーの中にある''putty.ini''を同じPuTTYフォルダーの中にコピーします。
最後に、展開したフォルダーの中にある''ja-JP''フォルダーの中にある''putty.lng''を同じPuTTYフォルダーの中にコピーします。
#ref(./PuTTY0.png,75%)
*TeraPadをプログラミング用に設定する [#o9244ca2]
プログラミングを始めたばかりのときによくある間違いの一つに、「日本語変換した空白(全角空白)を入力してしまったが、空白文字が見えないために、何が間違っているのかわからない」というものがあります。
そこで、TeraPadで見えない文字を表示するように設定します。
TeraPadを起動し、「表示」メニューの「オプション」を選択し、表示されたウィンドウの「表示」タブを選択、「マーク」の中にある「''TAB''」「''半角空白''」「''全角空白''」にチェックを入れて(「改行」と「EOF」はチェックを入れたままで)「OK」ボタンをクリックします。
(「EOF」というのは「End Of File」のことで、ファイルの終わりを表す文字です。)
#ref(./TeraPad1.png,75%)
これで、TeraPadで見えない文字が表示されるようになりました。
*TeraPadでCプログラムを作成する [#g0438979]
まずはじめに、TeraPadを起動した状態で、「表示」メニューの「編集モード」から「''C/C++''」を選択します。
#ref(./TeraPad2.png,75%)
それから、次のように入力します。
#geshi(c){{
#include <stdio.h>
int main(void) {
printf("Hello World!\n");
return 0;
}
}}
日本語版Windowsでは、バックスラッシュ ''\'' の代わりに円記号 ''¥'' を使います。
プログラムを入力したら、「ファイル」メニューの「文字/改行コード指定保存」を選択します。
#ref(./TeraPad3.png,75%)
文字/改行コード指定保存画面が表示されたら、文字コードを「''EUC''」、改行コードを「''LF''」にして「OK」ボタンをクリックします。
#ref(./TeraPad4.png,75%)
Cプログラムのファイルを保存するときは、拡張子を''.c''にします。
ここでは、''hello.c''として保存します。
*CプログラムとTeraPadを関連付ける [#efb5f2a9]
Windowsのアプリケーションはファイルの拡張子と関連付けられているので、拡張子が.cのファイルをダブル・クリックしたときにTeraPadが起動するようにします。
(この作業は一回やればいいだけで、毎回やる必要はありません。)
保存したhello.cファイルのアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択し、プログラムの「変更」を選びます。
#ref(./TeraPad5.png,75%)
「その他のオプション」や「このPCで別のアプリを探す」などを経て、「プログラムから開く...」画面が表示されたら、C:¥Program Files (x86)フォルダー(またはC:¥Program Filesフォルダー)の中にあるTeraPadフォルダーの中の「''TeraPad.exe''」を選択して「開く」ボタンを押します。
#ref(./TeraPad6.png,75%)
hello.cファイルのアイコンがTeraPadのアイコンと同じになり、Cプログラム(名前の最後が''.c''のファイル)のファイルを開くと次回から自動的にTeraPadが起動します。
*WinSCPでCプログラムをLinuxに転送する [#f6d263b5]
WinSCPを起動し、転送プロトコルは「SFTP」のまま、ホスト名に「''luna.isc.chubu.ac.jp''」を入力、ポート番号は「22」のまま、ユーザー名とパスワードはLinuxアカウントとして登録したものを入力し、「保存」ボタンをクリックし、そのまま「OK」ボタンを押して保存します。
(パスワードの保存はおすすめしません。)
#ref(./WinSCP1.png,75%)
左のリストから保存したセッションを選択し、「ログイン」ボタンをクリックします。
初めてログインするときは、不明なサーバーとして警告されますが、「はい」ボタンをクリックしてこのサーバーのホストキーをキャッシュします。
ホストキーをキャッシュしておけば、次からは警告されません。
ログインできると、左側にWindowsのフォルダーが、右側にLinuxサーバーのディレクトリーが表示されます。
#ref(./WinSCP2.png,50%)
Windowsに保存したCプログラムを左側から右側にドラッグ・アンド・ドロップすると、Window PCからLnuxサーバーへファイルが転送されます。
*PuTTYでLinuxにログインする [#p43a39da]
PuTTYを起動し、左のカテゴリーから「ウィンドウ」の「変換」を選び、Remote character setのリストから「''EUC-JP''」を選びます。
#ref(./PuTTY1.png,75%)
次に、左のカテゴリーから「セッション」を選び、ホスト名に「''luna.isc.chubu.ac.jp''」を入力、ポート番号は「22」のまま、接続タイプは「SSH」のままにして、セッション一覧から「''Default Settings''」を選択して「保存」ボタンをクリックします。
#ref(./PuTTY2.png,75%)
初めてログインするときは、セキュリティ警告が出ますが、「はい」ボタンをクリックしてPuTTYのキャッシュに鍵を追加します。
ターミナルのウィンドウが表示されたら、ユーザー名とパスワードを入力してログインします。
#ref(./PuTTY3.png,75%)
これでLinuxサーバーにログインできました。
*Cプログラムをコンパイルし実行する [#rc4f329a]
Linuxにログインしたら、''cd''コマンドを使ってCプログラムを保存したディレクトリーに移動し、''ls''コマンドを使ってCプログラムのファイルがあることを確認します。
たとえば、basic_cというディレクトリーにプログラムを保存しているときは次のようにします。
(luna%はコマンド・プロンプトを表していて、自分では入力しません。)
#geshi(sh){{
luna% cd basic_c
luna% ls
hello.c
}}
現在の作業ディレクトリーを確認するときは''pwd'''コマンドを使います。
#geshi(sh){{
luna% pwd
/usr2/gep00000/ep00000/basic_c
}}
(実際には、ep00000のところは自分のユーザー名になります。)
現在の作業ディレクトリーに転送したCプログラムがあることを確認したら、''cat''コマンドを使ってCプログラムの内容を確認します。
#geshi(sh){{
luna% cat hello.c
#include <stdio.h>
int main(void) {
printf("Hello World!\n");
return 0;
}
}}
Cプログラムが転送したものと同じであることを確認したら、''gcc''コマンドを使ってCプログラムをコンパイルします。
#geshi(sh){{
luna% gcc hello.c
}}
プログラムに間違いがなければ、コンパイルが成功しても何も表示されません。
プログラムに間違いがあると、エラーが表示されます。
プログラムに間違いがあるときは、WindowsのTeraPadで修正して保存し、修正したファイルをWinSCPでLinuxへ転送し、コンパイルをやり直します。
コンパイルが成功したら、''ls''コマンドを使って''a.out''というファイルができていることを確認します。
#geshi(sh){{
luna% ls
a.out hello.c
}}
最後に、コンパイルしてできた実行ファイルを実行します。
#geshi(sh){{
luna% a.out
Hello World!
}}
これでC言語を勉強する準備は完了です!