この授業では、Cプログラムのコンパイルと実行はLinuxで行います。

Cプログラムを書くのはLinuxでもWindowsでも構いませんが、家でも勉強できるように、自分のパソコンのWindowsでもプログラムを作成できるようにしておきましょう。

Windowsをプログラム開発用に設定する

プログラミングするときは、ファイル名の拡張子が大切です。 ところが、Windowsの初期設定では、ファイル名の拡張子は表示されないようになっています。 そこで、Windowsでファイル名の拡張子が表示されるように設定します。

まず、Windowsのデスクトップ画面で適当なフォルダーを開きます。

次に、「表示」メニューの「オプション」を選択します。

#ref(): File not found: "Windows1.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

フォルダーオプションの画面が表示されたら、「表示」タブを選択し、下から3番目にある「登録されている拡張子は表示しない」のチェックを外します。

#ref(): File not found: "Windows2.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

これで、ファイル名の拡張子が表示されるようになりました。

開発用ソフトウェアのダウンロードとインストール

総合情報センターのWindowsにはCプログラムの作成と実行に必要なソフトウェアがインストールされています。

そこで、同じソフトを自分のパソコンのWindowsにもインストールします。

TeraPad

TeraPadは、エディターという種類のアプリケーションで、プログラムを作成するために使います。

TeraPadは以下のページからダウンロードできます。

インストーラー付きのものをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをダブル・クリックしてインストールします。

WinSCP

WinSCPは、FTPクライアントという種類のアプリケーションで、Windows PCからLinuxサーバーへ(またはLinuxサーバーからWindows PCへ)ファイルを転送するために使います。

WinSCPは以下のページからダウンロードできます。

Installation packageをダウンロードし、ダウンロードしたファイルをダブル・クリックしてインストールします。 言語は「日本語」を選択します。

PuTTY

PuTTYは、SSHクライアントという種類のアプリケーションで、WindowsからLinuxサーバーにログインするために使います。

PuTTYを日本語化したICE IV版のPuTTY PRIVATE PATCHESが以下のページからダウンロードできます。

一番新しい日付のものをダウンロードし、ダウンロードしたファイルを右クリックして「全て展開...」を選択し、圧縮されているファイルを展開します。

C:¥Program Filesフォルダーの中に、PuTTYという名前のフォルダーを新規に作成します。

64ビット版Windows(C:¥Program Files(x86)というフォルダーが存在するWindows)の場合、展開したフォルダーの中にあるx64フォルダーの中にあるputty.exeを作成したPuTTYフォルダーの中にコピーします。

32ビット版Windows(C:¥Program Files(x86)というフォルダーが存在しないWindows) の場合、展開したフォルダーの中にあるputty.exeを作成したPuTTYフォルダーの中にコピーします。

次に、展開したフォルダーの中にあるiniフォルダーの中にあるputty.iniを同じPuTTYフォルダーの中にコピーします。

最後に、展開したフォルダーの中にあるja-JPフォルダーの中にあるputty.lngを同じPuTTYフォルダーの中にコピーします。

#ref(): File not found: "PuTTY0.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

TeraPadをプログラミング用に設定する

プログラミングを始めたばかりのときによくある間違いの一つに、「日本語変換した空白(全角空白)を入力してしまったが、空白文字が見えないために、何が間違っているのかわからない」というものがあります。 そこで、TeraPadで見えない文字を表示するように設定します。

TeraPadを起動し、「表示」メニューの「オプション」を選択し、表示されたウィンドウの「表示」タブを選択、「マーク」の中にある「TAB」「半角空白」「全角空白」にチェックを入れて(「改行」と「EOF」はチェックを入れたままで)「OK」ボタンをクリックします。 (「EOF」というのは「End Of File」のことで、ファイルの終わりを表す文字です。)

#ref(): File not found: "TeraPad1.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

これで、TeraPadで見えない文字が表示されるようになりました。

TeraPadでCプログラムを作成する

まずはじめに、TeraPadを起動した状態で、「表示」メニューの「編集モード」から「C/C++」を選択します。

#ref(): File not found: "TeraPad2.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

それから、次のように入力します。

#include <stdio.h>

int main(void) {
  printf("Hello World!\n");
  return 0;
}

日本語版Windowsでは、バックスラッシュ \ の代わりに円記号 ¥ を使います。

プログラムを入力したら、「ファイル」メニューの「文字/改行コード指定保存」を選択します。

#ref(): File not found: "TeraPad3.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

文字/改行コード指定保存画面が表示されたら、文字コードを「EUC」、改行コードを「LF」にして「OK」ボタンをクリックします。

#ref(): File not found: "TeraPad4.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

Cプログラムのファイルを保存するときは、拡張子を.cにします。 ここでは、hello.cとして保存します。

CプログラムとTeraPadを関連付ける

Windowsのアプリケーションはファイルの拡張子と関連付けられているので、拡張子が.cのファイルをダブル・クリックしたときにTeraPadが起動するようにします。 (この作業は一回やればいいだけで、毎回やる必要はありません。)

保存したhello.cファイルのアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択し、プログラムの「変更」を選びます。

#ref(): File not found: "TeraPad5.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

「その他のオプション」や「このPCで別のアプリを探す」などを経て、「プログラムから開く...」画面が表示されたら、C:¥Program Files (x86)フォルダー(またはC:¥Program Filesフォルダー)の中にあるTeraPadフォルダーの中の「TeraPad.exe」を選択して「開く」ボタンを押します。

#ref(): File not found: "TeraPad6.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

hello.cファイルのアイコンがTeraPadのアイコンと同じになり、Cプログラム(名前の最後が.cのファイル)のファイルを開くと次回から自動的にTeraPadが起動します。

WinSCPでCプログラムをLinuxに転送する

WinSCPを起動し、転送プロトコルは「SFTP」のまま、ホスト名に「luna.isc.chubu.ac.jp」を入力、ポート番号は「22」のまま、ユーザー名とパスワードはLinuxアカウントとして登録したものを入力し、「保存」ボタンをクリックし、そのまま「OK」ボタンを押して保存します。 (パスワードの保存はおすすめしません。)

#ref(): File not found: "WinSCP1.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

左のリストから保存したセッションを選択し、「ログイン」ボタンをクリックします。

初めてログインするときは、不明なサーバーとして警告されますが、「はい」ボタンをクリックしてこのサーバーのホストキーをキャッシュします。 ホストキーをキャッシュしておけば、次からは警告されません。

ログインできると、左側にWindowsのフォルダーが、右側にLinuxサーバーのディレクトリーが表示されます。

#ref(): File not found: "WinSCP2.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

Windowsに保存したCプログラムを左側から右側にドラッグ・アンド・ドロップすると、Window PCからLnuxサーバーへファイルが転送されます。

PuTTYでLinuxにログインする

PuTTYを起動し、左のカテゴリーから「ウィンドウ」の「変換」を選び、Remote character setのリストから「EUC-JP」を選びます。

#ref(): File not found: "PuTTY1.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

次に、左のカテゴリーから「セッション」を選び、ホスト名に「luna.isc.chubu.ac.jp」を入力、ポート番号は「22」のまま、接続タイプは「SSH」のままにして、セッション一覧から「Default Settings」を選択して「保存」ボタンをクリックします。

#ref(): File not found: "PuTTY2.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

初めてログインするときは、セキュリティ警告が出ますが、「はい」ボタンをクリックしてPuTTYのキャッシュに鍵を追加します。

ターミナルのウィンドウが表示されたら、ユーザー名とパスワードを入力してログインします。

#ref(): File not found: "PuTTY3.png" at page "授業/C言語基礎/プログラムの作成と実行"

これでLinuxサーバーにログインできました。

Cプログラムをコンパイルし実行する

Linuxにログインしたら、cdコマンドを使ってCプログラムを保存したディレクトリーに移動し、lsコマンドを使ってCプログラムのファイルがあることを確認します。

たとえば、basic_cというディレクトリーにプログラムを保存しているときは次のようにします。 (luna%はコマンド・プロンプトを表していて、自分では入力しません。)

luna7% cd basic_c/01
luna7% ls
hello.c

現在の作業ディレクトリーを確認するときはpwd'コマンドを使います。

luna7% pwd
/usr2/gep00000/ep00000/basic_c/01

(実際には、ep00000のところは自分のユーザー名になります。)

現在の作業ディレクトリーに転送したCプログラムがあることを確認したら、catコマンドを使ってCプログラムの内容を確認します。

luna7% cat hello.c
#include <stdio.h>

int main(void) {
  printf("Hello World!\n");
  return 0;
}

Cプログラムが転送したものと同じであることを確認したら、gccコマンドを使ってCプログラムをコンパイルします。

luna7% gcc hello.c

プログラムに間違いがなければ、コンパイルが成功しても何も表示されません。 プログラムに間違いがあると、エラーが表示されます。

プログラムに間違いがあるときは、WindowsのTeraPadで修正して保存し、修正したファイルをWinSCPでLinuxへ転送し、コンパイルをやり直します。

コンパイルが成功したら、lsコマンドを使ってa.outというファイルができていることを確認します。

luna7% ls
a.out    hello.c

最後に、コンパイルしてできた実行ファイルを実行します。

luna7% a.out
Hello World!

これでC言語を勉強する準備は完了です!

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