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if文による場合分け †
絶対値は、次のような式で表されます。 \[|x|=\cases{x&\text{if $x \ge 0$}\\-x&\text{それ以外}}\]
これまでは、これをif文で次のように書きました(プログラム1)。
if (x >= 0) { a = x; } else { a = -x; }
このような条件によって代入する値を変えるという処理は、よく出てきます。 しかし、if文による場合分けでは、左辺にある代入先の変数を2回書かなければなりません。
そこで、場合分けを行って代入するときに代入先の変数を1回書くだけでいいように、また、読みやすいプログラムが書けるように、条件演算子が用意されています。
条件演算子による場合分け †
条件演算子は、3つの項(オペランド)に対して作用する3項演算子です。
条件 ? 式1 : 式2
条件演算子は、条件が満たされるとき、式1を評価し、そうでないとき、式2を評価します。
優先順位 | 演算子 | 使用例 | 意味 |
14 | ?と: | a ? b : c | 条件 |
通常は、次のような使い方をします。
a = ((x >= 0) ? x : -x);
代入演算子 = の優先順位は条件演算子よりも低く、関係演算子 >= の優先順位は条件演算子よりも高いので、丸括弧 ( ) はなくても構いません。
a = x >= 0 ? x : -x;
ですが、読みやすいように、条件の部分には括弧をつけておきましょう(プログラム2)。
a = (x >= 0) ? x : -x;
演習1 †
プログラム1とプログラム2を作成し、変数 a の値を出力して結果を確認せよ。
条件演算子を用いた変数の初期化 †
プログラム2の結果はプログラム1の結果と同じなので、条件演算子はなくてもいいようにも思えます。
しかし、変数の初期化は、条件演算子でないとできません(プログラム3)。
int x = -5; int a = (x >= 0) ? x : -x;
まず、次のようなif文の使い方はできせん(プログラム4)。
int x = -5; int a = if (x >= 0) x else -x;
そして、次のようなif文は、コンパイルはできますが、if文の外で変数 a を使うことができません(プログラム5)。
int x = -5; if (x >= 0) { int a = x; } else { int a = -x; }
使えない理由については、次回、勉強します。
変数の初期化に場合分けをするときは条件演算子を使う、と覚えておけばいいでしょう。
演習2 †
プログラム2をプログラム3に変更し、実行結果を確認せよ。
演習3 †
プログラム4とプログラム5がうまく動かないことを確認せよ。