授業/C言語基礎/for文 のバックアップ(No.5)


同じ処理を繰り返し行う

コンピューターは、同じ処理を繰り返し行うことが得意です。

次のようなプログラムを考えてみましょう。

 Hello World!と10回画面に表示する

これをそのままプログラムにすると、次のようになります。

  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");
  printf("Hello World!\n");

全く同じ命令が10回繰り返されています。 (コメント部分はコンパイル時に無視されます。)

for文は、このような同じ処理を繰り返し行うことができます。

for文は、次の形をしています。

  int i;
  for (i = 1; i <= 繰り返し回数; i++) {
    処理
  }

ここで、++インクリメント演算子です。 後で詳しく説明します。

for文を使って上のプログラムを書くと、次のようになります(プログラム1)。

  int i;
  for (i = 1; i <= 10; i++) {
    printf("Hello World!\n");
  }

これを実行すると、次のようになります。

luna% a.out
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!
Hello World!

演習1

プログラム1を作成し、実行結果を確認せよ。

カウント変数

for文で使われている変数 i は、繰り返し回数をカウントするのに使われています。 繰り返し回数をカウントしているので、カウント変数と呼ばれます。 カウント変数の名前は、i でなくても構いません。

上のプログラムに、変数 i の値を出力する命令を追加します(プログラム2)。

  int i;
  for (i = 1; i <= 10; i++) {
    printf("%d\n", i);
    printf("Hello World!\n");
  }

これを実行すると、次のようになります。

luna% a.out
1
Hello World!
2
Hello World!
3
Hello World!
4
Hello World!
5
Hello World!
6
Hello World!
7
Hello World!
8
Hello World!
9
Hello World!
10
Hello World!

演習2

プログラム1をプログラム2に変更し、実行結果を確認せよ。

増分・減分演算子

for文の中で使われている ++ という演算子は、増分演算子(インクリメント演算子)といい、カウント変数 i の値を1増やす演算子です。

増分演算子と同じ仲間に、変数の値を1減らす減分演算子(デクリメント演算子)があります。

優先順位演算子使用例意味
2++i++iの値を1増やす
++i
−−i−−iの値を1減らす
−−i

演算子が変数の前についている場合(前置)と変数の後についている場合(後置)では意味が違いますが、後日詳しく勉強します。

for文

上では、for文の形を次のように説明しました。

  int i;
  for (i = 1; i <= 繰り返し回数; i++) {
    処理
  }

正確に説明すると、for文は次の形をしています。

  for (初期化; 繰り返し条件; 更新処理) {
    処理
  }

if文と同じように、for文の波括弧 { } に含まれる命令文が0または1個のとき、この波括弧を省略することができます。

for文は、次のように実行されます。

  1. 「初期化」を行う
  2. 「繰り返し条件」を評価する
    • 条件を満たしていれば、波括弧 { } の中の「処理」を行い、最後に「更新処理」を行う
    • そうでなければ、for文の次の処理に移る
  3. 2へ戻る

したがって、カウント関数は1からでなく、0から始めることもできます。 また、カウント関数を1ずつ増やすのではなく、2ずつ増やしたり、1ずつ減らすこともできます。

たとえば、10から0までカウントダウンするプログラムは、次のようになります(プログラム3)。

  int i;
  for (i = 10; i >= 0; i--) {
    printf("%d\n", i);
    sleep(1);
  }

演習3

プログラム3を作成し、実行結果を確認せよ。

無限ループと強制停止

for文は、条件を満たしている間繰り返し続けますので、条件を満たさないことがないと無限に繰り返しを続けます。 これを無限ループといいます。

たとえば、次のプログラムについて考えてみます(プログラム4)。

  int i;
  for (i = 1; i = 10; i++) {
    printf("%d\n", i);
    printf("Hallo World!\n");
  }

繰り返し条件の演算子を間違えて、代入演算子にしてしまっています。

繰り返し条件を評価すると、カウント変数に10が代入されます。 このとき、結果が0でないので、条件を満たしていると判断され、波括弧の中の処理と更新処理がおこなわれます。 更新処理によってカウント変数は11になりますが、繰り返し条件を評価すると、カウント変数に10が代入されるため、このfor文が停止することはありません。

このようなとき、コントロール・キーを押しながらCキーを押し、プログラムの実行を強制的に停止させます。 コントロール・キーを押しながらCキーを押す操作を、Ctrl+Cと書くことがあります。

演習4

プログラム2をプログラム4に変更し、実行して強制停止せよ。

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