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- その他/卒業研究を始める前に読んでおくべき3つのマンガ へ行く。
- 1 (2009-07-02 (木) 16:18:20)
卒業研究でもっとも大切なのは「指導教員選び」です.
学生生活を描いたマンガは数多くあれど,研究室の様子や教授と学生の関係が描かれたマンガは多くありません.
ここでは,研究室ってどんなところなのか,センセイってどんなことを考えて学生を指導するのか——を知ることができるマンガで,私が好きなものを3つ紹介します.
「今日の名文」(NHK「にほんごであそぼ」風に)として,それぞれのマンガに登場するコトバを紹介します. これらの名文がどのような文脈で出てきたのかは,自分で読んで確かめてください.
もやしもん(石川雅之) †
簡単な紹介 †
農大を舞台にしたお話です. 主人公は菌が見えるという能力を持っていて,そのためにひと味違った学生生活を送ることになります.
教授の樹センセイと大学院生(博士課程)の長谷川さんがいい味を出しています.
今日の名文 †
ここで紹介するのは7巻までの名文です.
- #1, p. 180, 樹教授
「君たちは既に真の研究者だ.」
- #2, p. 49, 樹教授
「君は急ぐ人だね.『千里も道も一歩から』の言葉をささげよう.」
- #2, p. 55, 樹教授
「まァ やりたい事があるのはいい事だ.」
- #3, p. 143, 樹教授
「あの二人は籠から出てもっと高いところを飛ぶ鳥だ.」
「ただ願わくば,腹が減るまで思う存分飛んだ後は必ず僕の肩に戻って欲しいねぇ.」
- #4, p.168, 樹教授
「沢木君がなんに興味を持つかはまだ分かんないけど,それ以前に菌への興味を失ったらどうなんのよ.」
「しかる前に育てないと.すべてそれからでしょう.焦っちゃ駄目だよ.」
- #7, pp. 185-186, 樹教授
「人に説明を求めた解答が常に得られると思っている蒙昧な者も多い.」
「及川君やみんながそうと言う訳ではないが精査が必要なんだ.」
「今のトコ彼らは4年やそこらここにいるだけの子達なんだし.」
「知ることが全ての人に幸せをもたらすとは限らないのと同じで,すべてを知る必要はないし明かす事もないヨ.」
動物のお医者さん(佐々木倫子) †
簡単な紹介 †
獣医学部が舞台のお話です. 教授との偶然の出会いがきっかけで主人公が獣医学部に入学し,学生生活が始まります.
理系の研究室の雰囲気が存分に楽しめます.
今日の名文 †
- 文庫版 #2, p. 61
獣医学部には15の講座がある.
どの講座に所属するかは4年になるときに決めるのだが,この小夜ちゃんのように,途中で講座をかわる例もたまにある.
- 文庫版 #2, p. 162
講座を決めることは3年生にとって人生の一大事であるが,迎える講座側だって将来の繁栄・没落がかかっているわけである.
直接の戦力となる有能な新人が欲しい—これが講座側のキモチである.
- 文庫版 #2, pp. 192-196
桜の花の咲く頃に,人買いがやってくる.(略)
人買い(各社のスカウト)が求めているのは,来春卒業予定の男.
博士課程で女で菱沼である——と三拍子そろった菱沼がなかなか売れないのは当然のことである.(略)
スカウトには人事部長などのエライ人が来るとは限らない.
この大学を卒業して就職した者が,2-3年たって後輩を探しに来る例も多いのである.
- 文庫版 #3, p. 105
菱沼の論文は難航していた.
実験の方はメドがついているのだが,作文が遅々として進まない.
なぜなら,文章が英語であるからだ.
- 文庫版 #3, p. 108
すでにライバルが論文を出してしまったのなら,同じ内容の物を菱沼が書いても意味はない.
アタシだってできてたんだも〜んと言っても通用しない. 早いもの勝ちの非情の世界なのだ.
- 文庫版 #4, p. 30
公衆衛生の人々の気持ちがハムテルと二階堂にはよくわかる. ふたりも漆原教授の秘書のような仕事をしているからだ.
- 文庫版 #4, p. 189
この春,ハムテルは漆原教授から研究テーマをもらった.
- 文庫版 #5, pp. 249-250
菱沼の論文は3コあった.
その3コの論文を菱沼はそれぞれ別の雑誌に投稿した.
そのうち2つは1か月ほどで返事が来たが,残るひとつがいいとも悪いとも言ってこないのである.
- 文庫版 #6, p. 80
二階堂は卒論がさっぱり進んでいないのである.
- 文庫版 #6, pp. 190-192
ハムテルたちの学年にもとうとう卒業の日がやって来た.(略)
長いこと大学にいると,私物は一度で持って帰れる量ではなくなる.
- 文庫版 #6, p. 246
今回の学会の会場はH大である.
だから,ハムテルたちには仕事が山ほどある.
- 文庫版 #8, p. 63
このようにして買われ,使われないまま埃をかぶっている最先端機器がいくつあることか.
- 文庫版 #8, p. 189
10月——秋は学会の季節である.
今回の開催地は九州F県.
研究発表は緊張するが,旧交を温めたり,あき時間に観光したり,いつもの場所から離れて開放感にひたれるのは学会のうれしいところである.
のだめカンタービレ(二ノ宮知子) †
簡単な紹介 †
音大が舞台のお話です.最初は向学心がなかった主人公が周りの学生に影響されて徐々に学問に目覚めていきます.
研究室は出てきませんが,いろいろなタイプの学生,センセイが登場します.
今日の名文 †
ここでは紹介するのは日本編(10巻途中まで)の名文です.
- #4, p. 133, 峰龍太郎
「あいつはスゴイ奴だけど,いつもそれなりの努力(こと)はやってんだ!」
- #5, p. 68, 千秋真一
「じゃぁ,やめたら?大学.」
「だって学費のために練習するヒマもないんだったら大学行く意味あんのか?」
- #6, p. 184, 千秋真一
「でも,今のままじゃダメだ.」
「いくら才能があったって,本人がそうあることを望まなければ.」
- #7, p. 68, 谷岡先生
「ボクはやる気のない生徒にやる気を出させるほどやる気のある教師じゃないんだよ.」
「でも生徒は大切なお客様だから,生徒の夢や希望をかなえるための努力や協力はしてやりたい...」