誰でもわかる医療データマイニング---ビッグデータの活用---

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新卒研生に読んでもらうために医療データ・マイニングの本を買いました.

医療におけるデータ・マイニングの必要性,医療データ・マイニングの実例,医療データ・マイニングについてのQ&Aなど,医療分野の方々にデータ・マイニングに興味を持ってもらうのにはいいでしょう.

しかし,データ・マイニングの研究をしている立場から見ると,すこし不満なところもあります.

まず,データ・マイニング・エンジンとして,決定木,バスケット分析(相関ルール),クラスタリング,ニューラルネットワーク,自己組織化マップしかという初歩的なものしか載っておらず,最近の技術については紹介されていません. これは,この本で紹介されているICONS Minerというソフトウェアに機能がないためだと思われます. SPSSだったらSVMやベイジアン・ネットワークというようなもっと高度な手法も使えます.

また,統計解析とデータ・マイニングの違いについて,「統計解析の目的は仮説の証明,データ・マイニングの目的は仮説の発見」とするのはいいですが,「統計解析は基本的にサンプル調査で,データ・マイニングは基本的に全数調査」としているところは疑問です. 発見した仮説を検証するためにはサンプリングが必要ですし,ビッグ・データ解析において全数調査しなくてもサンプリング調査で十分な場合もありますから.

なお,副題に「ビッグデータの活用」とありますが,実例にビッグ・データは出てきません. タイトルに「ビッグデータ」を入れるために少し書き加えたのでしょう. 医療におけるビッグ・データ活用について書かれていることを期待している人にはおすすめしません.

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