そろそろ新年度が始まります.
大学の研究室にも,新卒研生と新ゼミ生がやってきます.
そこで,学生が卒業研究を始めるまでに読んでおくべきマンガを3つ紹介します.
「卒業研究を始めるまでに」とありますが,「研究室を選ぶ前に」としたほうがいいかもしれません.
石川雅之『もやしもん』
紹介
まず一つ目は,『もやしもん』.
東京にある農大が舞台です.
菌が見えるという能力を持った主人公が農大に入学したところから話が始まり,その後の大学生活を描いています.
樹教授がいい味を出しています.
長谷川さんも博士課程の大学院生っぽい感じが出ています.
今日の名文
「今日の名文」は「にほんごであそぼ」風に読んでください :-)
#1, p. 180, 樹教授
「学生が己の興味から発した実学の美を堪能した...」
「君たちは既に真の研究者だ.」
#2, p. 49, 樹教授
「君は急ぐ人だね.『千里も道も一歩から』の言葉をささげよう.」
#2, p. 55, 樹教授
「まァ やりたい事があるのはいい事だ.」
#3, p. 143, 樹教授
「あの二人は籠から出てもっと高いところを飛ぶ鳥だ.」
「ただ願わくば,腹が減るまで思う存分飛んだ後は必ず僕の肩に戻って欲しいねぇ.」
#4, p.168, 樹教授
「沢木君がなんに興味を持つかはまだ分かんないけど,それ以前に菌への興味を失ったらどうなんのよ.」
「しかる前に育てないと.すべてそれからでしょう.焦っちゃ駄目だよ.」
これらの文がどのような文脈で出てきたのかは,自分でマンガを読んで確認してください.
樹研究室に集まるプレゼミ生のように,学生は授業だけでなく研究室でやっていることにも興味を持つといいと思います.
まだ完結していないので,このあとどうなるかわかりませんが,とりあえず,4巻まではオススメできます.
佐々木倫子『動物のお医者さん』
紹介
二つ目は,『動物のお医者さん』.
北海道にある大学の獣医学部が舞台です.
主人公が近道のために通った大学の構内である教授と遭遇するところから話が始まり,その教授の下で獣医になるまでの大学生活を描いています.
理系の研究室の雰囲気が十分に楽しめるマンガです.
今日の名文
文庫版 #2, p. 61
獣医学部には15の講座がある.
どの講座に所属するかは4年になるときに決めるのだが,この小夜ちゃんのように,途中で講座をかわる例もたまにある.
文庫版 #2, p. 162
講座を決めることは3年生にとって人生の一大事であるが,迎える講座側だって将来の繁栄・没落がかかっているわけである.
直接の戦力となる有能な新人が欲しい—これが講座側のキモチである.
文庫版 #2, pp. 192-196
桜の花の咲く頃に,人買いがやってくる.(略)
人買い(各社のスカウト)が求めているのは,来春卒業予定の男.
博士課程で女で菱沼である—と三拍子そろった菱沼がなかなか売れないのは当然のことである.(略)
スカウトには人事部長などのエライ人が来るとは限らない.
この大学を卒業して就職した者が,2-3年たって後輩を探しに来る例も多いのである.
文庫版 #3, p. 105
菱沼の論文は難航していた.
実験の方はメドがついているのだが,作文が遅々として進まない.
なぜなら,文章が英語であるからだ.
文庫版 #3, p. 108
すでにライバルが論文を出してしまったのなら,同じ内容の物を菱沼が書いても意味はない.
アタシだってできてたんだも〜んと言っても通用しない.
早いもの勝ちの非情の世界なのだ.
文庫版 #4, p. 30
公衆衛生の人々の気持ちがハムテルと二階堂にはよくわかる.
ふたりも漆原教授の秘書のような仕事をしているからだ.
文庫版 #4, p. 189
この春,ハムテルは漆原教授から研究テーマをもらった.
文庫版 #5, pp. 249-250
菱沼の論文は3コあった.
その3コの論文を菱沼はそれぞれ別の雑誌に投稿した.
そのうち2つは1か月ほどで返事が来たが,残るひとつがいいとも悪いとも言ってこないのである.
文庫版 #6, p. 80
二階堂は卒論がさっぱり進んでいないのである.
文庫版 #6, pp. 190-192
ハムテルたちの学年にもとうとう卒業の日がやって来た.(略)
長いこと大学にいると,私物は一度で持って帰れる量ではなくなる.
文庫版 #6, p. 246
今回の学会の会場はH大である.
だから,ハムテルたちには仕事が山ほどある.
文庫版 #8, p. 63
このようにして買われ,使われないまま埃をかぶっている最先端機器がいくつあることか.
文庫版 #8, p. 189
10月—秋は学会の季節である.
今回の開催地は九州F県.
研究発表は緊張するが,旧交を温めたり,あき時間に観光したり,いつもの場所から離れて開放感にひたれるのは学会のうれしいところである.
こちらも,これらの文がどのような文脈で出てきたのかは,自分でマンガを読んで確認してください.
博士課程まで経験した人であれば,共感できるエピソードがたくさんあるハズです.
研究室に入る前の人でも,このマンガを読めば,研究室というミステリアスな場所で起こりそうなことをいくつも知ることができます.
二ノ宮知子『のだめカンタービレ』
紹介
最後は,『のだめカンタービレ』(の日本編).
(東京にある)音楽大学が舞台です.
ドラマ化,アニメ化されていますので,みなさんご存知でしょう.
いろいろなタイプの学生と先生が登場します.
今日の名文
#4, p. 133, 峰龍太郎
「あいつはスゴイ奴だけど,いつもそれなりの努力(こと)はやってんだ!」
#5, p. 68, 千秋真一
「じゃぁ,やめたら?大学.」
「だって学費のために練習するヒマもないんだったら大学行く意味あんのか?」
#6, p. 184, 千秋真一
「でも,今のままじゃダメだ.」
「いくら才能があったって,本人がそうあることを望まなければ.」
#7, p. 68, 谷岡先生
「ボクはやる気のない生徒にやる気を出させるほどやる気のある教師じゃないんだよ.」
「でも生徒は大切なお客様だから,生徒の夢や希望をかなえるための努力や協力はしてやりたい...」
クドいようですが,これらの文がどのような文脈で出てきたのかは,自分でマンガを読んで確認してください.
このマンガもまだ完結していませんので,とりあえず,オススメできるのは日本編までです.
というか,のだめが目覚めるまでの方が今回のテーマには合っています.
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